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東京で揺らいだ子育て。名古屋で思い出した「文字が書けること」より大切なもの

昨年の10月に名古屋から東京に引っ越してきて、もうすぐ半年になります。

実は東京に来てから、名古屋と東京の教育観の違いを感じ、ずっと悩んでいました。

今日は、私が感じたことを書きたいと思います。

最初に違和感を感じたのは、小4の娘の中学受験でした。

娘は、引っ越し前にお友達のお兄ちゃんが合格した学校が自由な校風だと聞き、自分から「中学受験をしたい」と言いました。

私はもともと中学受験は考えていませんでしたが、娘のやりたい気持ちは大事にしたいと思い、東京に来てすぐ塾に通い始めました。

ところが、実際に始めてみると想像以上でした。

塾は週3回。

季節講習もあり、自由な時間はどんどん減っていきます。

5年生、6年生になるとさらに授業は増え、他の習い事を全部辞めて勉強一択になる子も多いと聞きました。

さらに中学受験は小3からスタートするのが一般的で、娘はすでに周りより遅れている。

受験は勝ち負けの世界。

早く始めた人に追いつき、追い越さなければならない。

そんな世界でした。

実際にやってみて、これは無理だと思いました。

娘も冬季講習を前に

「せっかくの冬休みなのに、そんなに勉強したくない」と言いました。

やりたい気持ちがないわけではない。

でも、現実の大変さは想像以上で

それを乗り越えるほどの気持ちにはなれない。

そんな様子でした。

その姿を見て、塾は一度やめることにしました。

やってみたら思っていた以上に大変だった。

だから辞めた。

ただそれだけのことなのに

中学受験をしないと不利になるのではないか

そんな空気を感じることがありました。

娘の通う小学校では、半分以上の子が中学受験をします。

家庭環境がよさそうで、明るくて友達もいる。

そんな子ほど受験をしている印象です。

スマホを開けば受験広告。

駅には無数の塾の看板。

中学受験だけでなく

小学校受験、幼稚園受験。

受験が当たり前のような空気の中にいると

今まで経験したことのない教育の空気を感じるようになりました。

そしていつしか

周りと比べてしまう自分がいました。

そして

「私の子育ての選択は間違っているのかな」

そんな不安を感じるようになっていました。

実は、息子のことでも同じような迷いがありました。

息子は今、モンテッソーリの幼稚園に通っています。

その園では年長になると月に何度か専属の先生とマンツーマンでひらがなを書く時間があります。

その積み重ねで、同じ学年の子はほとんどひらがなの読み書きができるようになっていました。



できないのは、息子だけでした。

私の住んでいる地域では、小学校に入る前に文字が書ける子が多いそうです。



そして

「書けないまま小学校に入ると、自分だけできなくて自己肯定感が下がってしまうかもしれない」

そんな背景もあり、幼稚園でも文字を書く時間を設けていると先生から聞きました。



私はこれまで息子が興味を持ったことを大切にしてきました。

息子が興味を持ったことを大切にすること。

目の前で夢中になっていることを広げ、その中で自信をつけていくこと。

それが大事だと思ってきました。

でも息子は文字には、まったく興味を示しませんでした。

だから私は、あえてやらせるようなことはしてきませんでした。

それなのに息子だけができない環境。
小学校に入ったとき自分だけができなくて苦手意識を持ってしまうのではないか。



息子を信じたい気持ちとその不安の間でずっと心が揺れていました。



そんな中で、今回半年ぶりに名古屋に行きました。

卒園を前に、息子が通っていた幼稚園に遊びに行かせてもらったのです。

幼稚園に着くと、息子は迷わず自分からチャイムを押しどんどん中に入っていきました。


久しぶりの幼稚園で本当は恥ずかしくてもおかしくないのに堂々とみんなの輪に入っていく。


そして、本当に嬉しそうに生き生きと遊んでいたのです。


息子が自信を持って園に入っていく姿や

心の底から嬉しそうにしている様子を見て

友達や先生のことを心から信頼しているのが伝わってきました。


この息子の姿は

「文字が書けること」よりも

もっと大切なもの

子どもが

「自分でいていい」と思える感覚

でした。

それは

・自分はここにいていい

・自分は受け入れられている

という感覚。

これは

幼児期の自己肯定感の根っこであり、私が大切にしてきたことそのものでした。

今回、幼稚園に行ったことで

息子はその感覚を

ちゃんと持っているんだ。

そう確信できました。

そして、自分が大切にしてきたことはこれだった。

だから

これでよかったんだ。

そう思えたのです。

私は子ども達に

自分の好きなこと

自分が得意なこと

自分が大切にしている価値観

それを大事にして

生きていける人になってほしいと思っています。



自分が何をしたいのか分からない。

夢も希望も持てない。

そんなふうに

自分のことが分からなくなってしまうことだけは避けてあげたいのです。



そのために幼児期に大事なのは

・自分はここにいていい

・自分は受け入れられている

という感覚を知ること。

そして

自分が何が好きで

何が得意なのかを

知り、体感していくこと。

もし

自分の心に反して

何年も勉強に追われていたら

やるべきことに追われて

自分が何が好きなのか

分からなくなってしまうかもしれない。

私は

それを一番恐れていたのだと

今回改めて気づきました。

今回の名古屋での時間は

揺れていた私の子育てを

もう一度信じることができた

大切な時間になりました。

息子の姿を見て

子どもにとって本当に大切なのは

「何ができるか」ではなく

安心して自分でいられること

なのだと改めて感じました。

だから私はこれからも

子どもが

「自分はここにいていい」

「ありのままの自分でいい」

そう感じられる関わりを

大切にしていきたいと思います。

そして

自分に生まれてよかった

そう思える人が

一人でも増えていくように

これからも伝え続けてていきたいと思います。